奇数次直交型三重旗多様体の典型例について、その軌道分解を与えた。これは標数2以外の任意の体上で成り立つ。副産物として、一般線形群の旗多様体上の様々な群に関する軌道分解も得られた。軌道の数の式と有限体の場合の各軌道に含まれる元の数の式も与えた。この結果は12月にarXiv:1011.6468に公表した。 当初の計画では複素数体上の直交群を扱う予定であったが、具体的に軌道分解を決定する方法に変更したことにより、一般の体上で統一的な結果が得られた。さらに、軌道構造も記号表示によって詳細に記述できた。 以上の詳細な研究結果をまとめて公表するために多くの時間を要した。このため、研究計画の一部を先送りせざるを得ず、6ヶ月分を次年度に繰り越しを行なった。 本研究の結果の一部はHenderson-Trapaによるexotic Robinson-Shensted対応の研究で引用されている。その他にも小林俊行による重複度自由表現の研究とも関連しており、また、群のコンパクト化との関連も興味深い。
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