研究概要 |
2011年1月2日~23日に米国ウィスコンシン・ミルウォーキー大学数学教室のIan Musson教授を当該科研費による旅費および滞在費により招聘し執筆中の専門書「Ian Musson, Lie superalgebras and Enveloping algebras」の詳しい解説をしていただけるなどの貴重な議論を行った。またその間Musson教授には1月12日~13日に京都大学数理解析研究所で連続講義「Lie Superalgebras and Enveloping Algebras」、1月17日に名古屋大学多元数理科学研究科で講演「Combinatoncs of Character Formulas for the Lie Superal gebra g1(m,n)」、1月21日に筑波大学数理物質科学研究科で講演「Supergeometry and Character Formulas for the Lie Superalgebra g1(m,n)」を行っていただいた。Saeid Azam, Malihe Yousofzaderと共著のプレプリント「Reflectable bases for affine reflection systems, arXiv : 1101.0546」を作成した。ヌルティーが0の有限ルート系やヌルティーが1のアファインルート系には基と呼ばれる概念が存在し、そのことがそれらのルート系に関わるさまざまな理論が構成できる重要な理由の1つである。ヌルティーが2以上のルート系には基が存在しないことはすぐわかる。それにも関らず我々は基の条件を少し緩めた反射基という概念を導入しE型以外の任意のヌルティーのルート系に対して反射基を具体的に分類した。条件を少し緩めているが反射基は任意のヌルティーの無限次元リー代数を研究する上で重要である期待される。N.Andruskiewitsch, I.Angionoと多パラメート付有限型量子スーパー代数の定義関係式を求めた。この研究の中で多パラメート付アファイン型量子スーパー代数の性質もある程度理解できた。これらの代数の表現論を数学的な意味で厳密に研究することは物理のストリング理論にも多大な応用をもたらすと期待される。
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