研究課題/領域番号 |
22540020
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山根 宏之 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (10230517)
|
キーワード | スーパーリー代数 / 無限次元ルート系 / ホップ代数 / 一般化された量子代数 |
研究概要 |
1.アフィンスーパー量子群に関する研究。研究代表者の山根は2011年9月2日から2011年9月22日までアルゼンチン共和国コルドバ大学数学教室を訪れ9月13日のリー理論セミナーで研究発表「既約表現とワイル亜群の最長元」を行うとともにイヴァン・アンジオノとアフィンスーパー量子群に関する研究を行った。帰国後、愛知工業大学自然科学教室の伊藤健と大島和幸を含めた4人で数々の議論を行った。その議論の中でカッツ・ムーディーリー代数のセールの定理のガバー・カッツによる証明に使われた重要な補題に対応する補題がアフィンスーパー量子群の場合にも成り立つ事が解明できた。我々の研究にはルスティック型同型写像を非常によく用いるが我々は多変数アフィンスーパー量子群を扱っているのでルスティック型同型写像を自己同型写像として扱う事は出来ない。従って定義関係式のみからルスティック型同型写像の存在性を示す為にしばらくは手計算と今までの経験からくる感に頼っていた。しかし最近になってほぼ全ての場合にマテマティカを使って奇異なプログラムのもとでうまくいくであろう事が分かり始めてきた。 2.一般化された量子群の有限次元表現の分類に関する研究。研究代表者の山根は研究代表者の山根は2011年5月9日から2011年5月20日までイラン・イスラム共和国のテヘラン数理研究所IPMを訪れ国際数学会議「無限次元リー理論とその応用(テヘランIPM、2011年5月10-17日)」で5月16日に講演「ワイル亜群と表現論」を行った。その講演の主な内容であるサエイド・アザムとマリヘ・ヨウソフザダとの一般化された量子群の有限次元表現の分類に関する共同研究をその会議中に参加していた世界第一線の研究者たちと議論したところ手法が初等的であって彼らが知っていたものより分かりやすいものである事が判明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
最近の計算ソフト・マテマティカの向上により今まで手計算ではとても不可能だとおもわれるスーパーリー代数の定義関係式に関する計算がコンピュータで検証可能である事が判明した。この事より近い将来スーパーリー代数の多変数量子群の定義関係式を得る事が出来るであろうと思われる。またSaeid AzamとMalihe Ybusofzaderとの一般化された量子群のプレプリントを完成させ投稿した。
|
今後の研究の推進方策 |
一般化された量子群の中心に関するハリシュ・チャンドラ定理を完成させる方向で研究を進める。この研究の方針としてまずシャポバロフ行列式の各一次因子にたいするヴェーマ加群の部分加群の構造を調べる。プレプリト作成の方針としてザリスキー位相に対する込み入った議論も非専門家にもなるべく分かりやすいように書くことを目的とする。
|