平成22年9月から研究が採択され半年間の研究期間で次の点を明らかにした。基本p-可換部分群Aによって正規化されるような有限群Gの非自明な部分群からなる部分群束Γの研究は、一般素数グラフの形状と群の構造を結びつけるうえで重要なものである。本年度の研究において、Γに属する部分群すべてが、Aにおける中心化群が自明でないような場合について考察を深めた。このような場合、Gは非自明な正規p部分群を持つか、pベキ零でないかと予想されている。この予想の解決は、本研究の中心的課題の一つであるが、この予想の最小位数の反例は非可換有限単純群であること(よって、Gがp可解な場合は予想が成立する)、Aのランクが1のとき、単純群の分類定理とは独立に予想が成立すること等についての検証をし、証明を与えた。また、26の散在型単純群、交代群、およびいくつかのLie型の単純群について予想を満たしていることも検証している。これらの結果は、すべてまとめ23年度中に発表する予定である。
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