研究概要 |
群Gの構造を一般素数グラフによって調べるうえでその群の部分群束の構造が非常に重要であることが分かっている。故に群Gの部分群束L、特に部分群束Lをモノイドと見做した場合の半群環R[L]の構造を調べることが重要であると思われる。前年度より、部分群束の概念より一般的なquiverについてそのpath代数の構造、またquiver Qの矢に対し逆向きの矢を考えそれらを加えてできるqiver UD(Q)のpath代数の構造について調べてきた。その成果をもとに、部分群束Lをposetと見做し更にquiver Lと見做し、そのUD(L)についてのpath代数Pの構造、また可換環Rとしたときに、R[L]をP-左加群とみなした場合のpath代数Pの作用素としての環P'の構造について群の構造と関係付け調べてきた。24年度の研究において、これらの研究に加え、部分群束をこの代数的見地から考察するのに加え、従来よりp-部分群群束の研究において用いられいるホモロジー的手法を導入することにより、より詳細に部分群束を研究する手法を提案できるようになった。ここで与えたホモロジーは、本質的にP及びP'の積構造を用いたものであり、実際に計算できるものである。また、このホモロジーの理論構築中に群論の他の幾何学関連の話題、たとえばCoset幾何等との関連が分かり、これらの幾何に対しても我々の理論を適用することができることが分かった。具体的に計算公式を与えたものとしては、群Gに対するUD(Q)のpathΔ=(H_1,..H_n)に対し、G/H_1×・・×G/H_nを考えG/H_i,G/H_{i+1}の元の間に含有関係で隣接関係を与えた幾何がある。
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