研究課題/領域番号 |
22540031
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
中島 俊樹 上智大学, 理工学部, 教授 (60243193)
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研究分担者 |
筱田 健一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053712)
五味 靖 上智大学, 理工学部, 准教授 (50276515)
都築 正男 上智大学, 理工学部, 准教授 (80296946)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 幾何結晶 / 超離散化 / 結晶基底 / トロピカルR写像 / 多面体表示 / 一般化行列式 / 単項式表示 / ワイル群 |
研究概要 |
幾何結晶に対応するトロピカルR 写像に深い関係が、あると思われる飾り付き幾何結晶について考察を行い、A,B,C,D,G型の場合には、結晶基底の単項式表示と興味深い関係があることを見出しすでに論文として投稿済である。 ここで、飾り付き幾何結晶は双冪単結晶から誘導される幾何結晶の一種で超離散化により結晶基底の多面体表示と類似の表示を持つことが知られている。この研究においては現在、古典群の場合について数多くの具体的な例を用いて計算を実行し、そこから一定の結果と更なる予想を得ている。計算自体は古典的な行列の計算が中心となるが、そこに結晶基底の単項式表示が現れ、このことはこうした研究に新しいアプローチの方向を与えるものではないかと考えている。特に、報告者とアンドレイ・ゼレビンスキーにより発見された結晶基底の多面体表示への応用は興味深く、アンプルと呼ばれる条件なしに多面体表示を構成できることが期待される。 また、この方面は2重ブリューワーセルと一般化された行列式とクラスター代数の関係などが注目を集めており、この結果や予想がそうしたものと関連を持つことが期待される。上の計算などは古典型についてのみであるが、結晶基底の多面体表示や単項式表示、クラスター代数などは一般のカッツムーディー代数の設定まで想定されているので、そこまでの拡張も期待したい。 また、最近飾り付き幾何結晶からの結晶基底の記述に動機付けられ、純粋に結晶基底の理論の立場から多面体表示を定義しなおし、有限型のワイル群の最長元のすべての最短表示に対して多面体表示を計算する方法を構成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究も進んでおり、研究論文もいくつか出版し、国際研究会で成果を発表することもできていることから。
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今後の研究の推進方策 |
幾何学的な考察を深めるため、その方向の分野との連携を強化したい。
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