研究概要 |
アルゴリズム(以下CS、AJPA、平成22年度に見出されたG-Farey)を用いて高次元連分数展開理論を拓きたい。具体的に6つの目標を想定している。1)高次体で周期性の計算機実験を進め、アルゴリズムの有効性を検証する。2)アルゴリズムに関する力学系に関してnatural extensionの具体的な構成を行う。3)同時有理近似アルゴリズムとしてどの程度有効であるかを計算機実験と理論面で探っていく。4)代数体の単数の生成にどの程度有効であるかを計算機実験と理論面で探っていく。5)substitution(自由モノイド上のendomorphismを無限語に拡張したもの)の不動点、Rauzy フラクタル、atomic surface、平面のstepped surface、タイリング等との関連を探る。6)関数体やP進体などへの高次連分数の拡大を探る。1)~3)については特に進展がなかった。4)については3次体,4次体の単数の生成実験を前年度に引き続き行いデータを蓄積することができた。その結果我々のアルゴリズムは単数の生成に有効であるとの経験的事実を得ることができた。5)についてはstepped surface上で全平面を生成するか否かの研究を伊藤俊次氏(東邦大学)、古門麻貴(横浜国大)進めているが証明の簡略化について一定の進歩があった。6)については進展はなかった。また今までに得られた結果を論文や学会などで発表することを積極的に行った。
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