研究概要 |
R.Vidunusにより発見された超幾何関数の関数等式を利用して、新しい平均反復を定め量の極限をGaussの超幾何級数を用いて表示した。この表示には複素平面に作用する三角群(3,3,3)が深く関係しており、平均反復の極限公式と1の三乗根ωを周期とする楕円曲線の加法との関係解明により、さらなる研究発展の可能性をもつものである。 約120年前にG.Lauricellaにより定義されたm変数rank 2^mの超幾何微分方程式系EAに対して、Singular locusを決定し、モノドロミー群の生成系を与えた。 解の積分表示から定まるねじれホモロジー群の交点形式と、Singular locusへ変数が近づく際に退化するねじれサイクルの決定により生成系が定まるというモノドロミー交点数原理を発見している。その結果として表現空間の次元が2^mと大きくなるものに対しても、交点形式に関する鏡映としてモノドロミー行列を具体的に表示することが可能となった。また一般のパラメーターに対しては、EAのモノドロミー群が鏡映群になることが自動的に証明されている。ここで得られた定理や原理を用いれば、超幾何微分方程式系EBのモノドロミー群の生成系が得られ、他のEuler型積分表示をもつ超幾何方程式系のモノドロミー群の計算が交点形式の計算に帰着されることになる。 したがってこの結果は単にEAのモノドロミー群を決定しただけでなく、汎用性のある重要な結果であると確信する。
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