1.種数が2の平面単尖点曲線について 特異点として尖点のみを持つ平面代数曲線の中で特異点を一つだけ持つものを平面単尖点曲線と呼ぶ。今年度の研究では前年度に引き続いて種数が2の平面単尖点曲線を考察した。このような曲線の最小埋め込み特異点解消による固有変換の自己交点数は10以下である。さらに曲線が5次以上であればこの自己交点数が10であることと曲線が特異点における接線と一点だけで交わることが同値であることがわかっている。今年度の研究では自己交点数が10未満の曲線を考察した。その結果、自己交点数が9と8の曲線が存在しないことを証明した。さらに自己交点数がちょうど7の曲線の具体例を構成した。研究の際には曲線の特異点解消で得られた曲面から種数が2のファイブレーションを構成し、そのファイブレーションが持つ性質を利用した。 2.特異点を二つ持つ有理尖点平面曲線について 特異点として尖点のみを持つ有理平面代数曲線の中で特異点を二つ持つものを考察した。このような曲線の補集合の対数的小平次元は1以上であることが分かっている。さらに最小埋め込み特異点解消による曲線の固有変換の自己交点数は0以下でありちょうど0であることと曲線の補集合の対数的小平次元が1であることは同値である。本年度の研究では自己交点数が-1の曲線の分類を完成させた。分類結果にはこの分類によって得られた曲線の構成方法や特異点の数値的データなどが含まれる。分類の際には曲線の特異点解消で得られた曲面から特別なファイブレーションを構成し、そのファイブレーションが持つ性質を利用した。
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