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2011 年度 実績報告書

周期積分とミラー対称性およびグロモフ・ウイッテン不変量の幾何学

研究課題

研究課題/領域番号 22540041
研究機関東京大学

研究代表者

細野 忍  東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (60212198)

キーワードカラビ・ヤウ多体 / ミラー対称性 / トーリック多様体 / 周期積分 / グロモフ・ウィッテン不変量 / 超幾何微分方程式
研究概要

前年度までの研究において,Reye congruence と呼ばれる古典的な射影幾何学に関連するカラビ・ヤウ多様体が「双有理同値ではないが導来同値である」別のカラビ・ヤウ多様体と一まとめにして現れる現象を見出して,結果を高木寛通氏(東京大学・数理科学研究科)との共著論文として発表している.
今年度,この研究成果に基づいて5月(5/8-14)にBanff国際研究拠点(BIRS,Canada)で開催された研究集会「Number Theory and Physics at the Crossroads」にて研究成果を報告し,参加者の関心を集めることが出来た.そこでの参加者との議論は,さらにReye congruence の幾何学を調べる強い動機となり,その後,周期積分のモノドロミー性質を完全に決定する成果に実を結んだ.また,ミラー多様体の構成についても,古典的な射影幾何学との関わりが明らかな構成法を与えることが出来,ミラー対称性の幾何学と射影幾何学とを結びつけて考察することを可能にするものとして期待される.これらの成果は,再び12月(12/4-9)にBanff国際研究拠点で開催された研究集会「 Hodge theory and String Duality」において部分的に発表した.
古典的な射影幾何学との関わりが明らかなミラー構成法は,今回調べた完全交叉型のカラビ・ヤウ多様体に共通した一般性を持つことが期待され,この視点も加えてさらに研究を発展させて行きたいと考える.また,周期積分のモノドロミー性質に関する成果と合わせて,今年度得られた研究成果をまとめた論文の執筆を開始しており近く発表の予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画にそって,国外の研究集会で研究成果の発表を行い,参加者の関心を得ることが出来,またそれを次の発展に繋げることが出来た.

今後の研究の推進方策

研究初年度に,古典的なReye congruence の幾何学がミラー対称性に関わって興味深い構造を示すことが見出され,次年度ではその構造をさらに詳しく調べるに適したミラー対称性 (構成)の定式化が得られた.これらの発展は,ファノ多様体と呼ばれる射影幾何学の専門家である高木寛通氏との共同研究や,国外での研究集会での発表を通して参加者から得たコメントや知見に負うところが大きい.今後も,各分野の専門家との共同研究,国外での研究集会での発表の機会の活用などを,研究推進の方針として研究を実施する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Mirror symmetry and projective geometry of Reye congruences I2013

    • 著者名/発表者名
      Shinobu Hosono and Hiromichi Takagi
    • 雑誌名

      Journal Algebraic Geometry

      巻: 22 ページ: 1-27

    • 査読あり
  • [図書] Exploring New Structures and Natural Constructions in Mathematical Physics2011

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, Koji
    • 総ページ数
      441
    • 出版者
      日本数学会

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公開日: 2014-07-24  

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