研究課題
本研究課題の目的は非可換代数幾何学における主要研究対象である量子射影空間の分類問題と、多元環の表現論における主要研究対象である大局次元有限の有限次元多元環の分類問題とを三角圏を介して関係づけ、相互発展することである。前年度までに源泰幸との共同研究により量子射影空間の斉次座標環であるAS-regular algebraと最近多元環の表現論で注目されているFano algebraという大局次元有限の有限次元多元環との間に密接な対応があることが証明された。これによって非可換代数幾何学の研究成果を多元環の表現論に応用したり、逆に多元環の表現論の研究成果を非可換代数幾何学に応用したりする道が大きく開かれた。実際今年度は多元環の表現論の非可換代数幾何学への応用として、McKay対応の非可換化を完成させた。この研究はXV International Conference on Representations of Algebrasなど国内外の学会で数多く発表し好評を得た。またこの研究はMcKay type correspondence for AS-regular algebrasとして論文にまとめ、J. London Math. Soc. に掲載されることになった。また非可換代数幾何学の多元環の表現論への応用として、quantum Beilinson algebraと呼ばれるFano algebra上のregular moduleの分類が現在進行している。その他指導学生の上山健太との共同研究で、3次元quadratic AS-regular algebraの次数付き森田同値性に関する共著論文Graded Morita equivalences for geometric AS-regular algebrasがGlasg. Math. J. に掲載されるなど研究成果の多い一年であった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
Glasg. Math. J.
巻: 55 ページ: 241-257
10.1017/S001708951200047X
EMS Ser. Congr. Rep., Eur. Math. Soc. Zurich
巻: ― ページ: 186-196