研究課題/領域番号 |
22540048
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鈴木 武史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30335294)
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キーワード | Hecke代数 / 量子群 / Cherednik代数 / Lie代数 / 共形場理論 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、岡山大学大学院自然科学研究科の山田氏、稚内北星学園大学の安藤氏とともにKhovanov-Lauda-Rouquier代数のCartan行列の(ブロックの)単因子および行列式について研究を進めた。 Kovanov-Lauda-Rouquier代数はHecke代数のgraded版と考えられ、様々な方面で注目されている代数系である。そのCartan行列のブロックは量子アフィンLie代数の基本表現のウエイト空間のShapovalov形式に関するグラム行列に関係するが、昨年度までの研究は主にアフィンs1型に相当するのに対し、今年度は他のタイプに関しても研究を行い、単因子および行列式の組合せ的表示に関する予想を得た。古典的には同じ量が次数付き(q類似)で考えることによって異なる量を与えるが、予想の成立はそれらの関係性を明らかにする。分割に関する等式を示すことで予想の整合性を確かめているが、Glaisher対応の拡張など、純粋に組合せ論的立場からも興味深いと思われる結果も得られている。s1型以外のタイプに関しては、数物連携宇宙研究機構の土岡氏とも討議を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定とはやや異なる方向に研究が進展した感があるが、Kovanov-Lauda-Rouquier代数は圏化を介してCherednik代数とも関係しており、現在の問題の研究を進めることで、Cherednik代数の研究にも繋がるであろう。
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今後の研究の推進方策 |
Kovanov-Lauda-Rouquier代数は様々な方面で注目されている代数系であり、今後も現在の問題の研究を継続したい。また、Cherednik代数のテンソル積定理に関して、大阪府立大学の宮地氏等との共同研究を計画している。
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