研究概要 |
複素アフィン平面のコンパクト化の研究:複素アフィン平面のヒルツェブルフ曲面へのコンパクト化に付随する境界因子は2つの既約成分からなる事が知られている.本研究において,境界因子の何れか一方は非特異有理曲線で,他方は高々カスプ特異点を有する有理曲線であることを示した.また,そのようなコンパクト化の存在については,ブレントン氏による例が一つ知られていたが.一般のヒルツェブルフ曲面に対して多く、の例を構成する事により,コンパクト化の境界因子の全体構造が見えてきた.さらに,平成22年8月ボンのマックスブランク研究所にて,当時,滞在していた,この方面の研究の第一人者であるザイデンベルグ教授と研究討議を行う中で.本研究で得られた結果は.アフィン代数発何の基本定理である「アビヤンカー・モー・鈴木の定理」の双有理幾何的別証明の可能性を示唆するものであるといす助言を貰うと共に.関連する研究に対する情報の提供を受けた.結果,特別な場合ではあるが,別証明が得られた.この結果は,平成23年3月26日のアフィン代数幾何の国際会議で発表した(1時間講演).その際,,参加した内外の研究者からの助言をもとに,分類の最終段階のテェックを行っている 複素アフィン空間のコンパクト化の研究:第2ベッチ数が1であるアフィン空間の非射影的コンパクト化については,(既約な)境界因子が「ネフ」の時は.高々ゴレシスタイン端末特異点をもつファノ3次元多様体のスモールリゾリューションによって得られる.ファノ指数は2以下であるが,指数2の場合は解決済みで,指数1の場合は,最近,「欠損(ディフェクト)」なる不変量を用いた研究論文が出版され,これは我々のコンパクト化の研究に応用可能である事が分かってきた.目下,欠損の関連する研究論文を調査している.
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