• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

捩れ構造による三角圏の分析

研究課題

研究課題/領域番号 22540053
研究機関大阪府立大学

研究代表者

加藤 希理子  大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00347478)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード三角圏
研究概要

(1) 写像の特異圏についての研究 局所平坦な環準同型写像は、導来圏間の三角函手を定義する。この三角函手によるファイバーの像で生成される三角圏を射の特異圏と定義した。この特別な場合は、環の特異圏と一致する。本研究の目的は、特異圏が環準同型の性質をどのように記述するかを知ることである。写像が潤滑なら特異圏が消失することは前年度までの研究で明らかにされていたが、逆は不成立なので、特異圏消失の必要十分条件を調べた。その結果、各対象間の射空間の同型が特異圏消失の必要十分条件であることを得た。
(2) 部分圏による三角圏の分解についての研究 t構造などの三角圏の捩れ対は、三角圏を部分圏の貼り合せとして実現することである。捩れ対のように、直交する部分圏の貼り合せは拡大について閉じているが、部分圏の貼り合せは、一般には三角圏にならないため、三角圏の貼り合せがいつ三角圏になるのかは基本的な問題である。本年度の研究で得られた成果は、ふたつの三角圏の貼り合せが三角圏になるための必要十分条件が、交叉による商圏の中で直交することであることを示した。これは、直交する2つの三角圏の貼り合せがつねに三角圏になるという古典的な結果の一般化になっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)写像の潤滑性を消失によって記述する圏を探すという当初の目的は達せられなかったが、特異圏が射空間の変化を記述することが解り、ホモロジー代数的な意味づけができた。
(2)貼り合せが三角圏になる条件において、古典的な結果との関連が解ったことは評価できる。この視点からの三角圏の分解によるJordan-Hölder型の定理は、理論的には完成したが、実際に組成列を見つけることができないので、有用でないことが分かった。

今後の研究の推進方策

三角圏の部分圏による分解を分類するためには、特定の性質を持つルコルマンを分類することが重要である。遺伝的圏における、単一生成元によるルコルマン分解によるJordan-Hölder型の定理は、典型的な成功例であることから、圏自体の特別な性質と特殊な対象を組み合わせて、捩れ対の研究をすることがひとつの方針である。いっぽう、商圏における直交性を利用した分解も、調べてみたいと思う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 三角圏とホモロジー代数

    • URL

      http://www.mi.s.osakafu-u.ac.jp/~kiriko/research/ss2012.pdf

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi