研究概要 |
本研究の目的は,Cohen-Macaulay性・Gorenstein性だけではなく,Buchsbaum性など非Cohen-Macaulay性解析を通して局所環論を深化・発展させることにある。平成24年度は,下記の3課題に挑戦した。課題(1) Sequentially Cohen-Macaulay局所環(A,m)の優良巴系イデアルの挙動とm-準素イデアルに随伴する各種次数環の構造解析,課題(2) Ulrich加群とイデアルの基礎理論の完成と発展,課題(3) Almost Gorenstein環の基礎理論の整備と展開 課題(1)については,Cohen-Macaulay環について得られている成果が,sequentially Cohen-Macaulay環に対してはどのような形で成立するか,精密な解析を行い,非Cohen-Macaulay環論の新たな展開と独自の発展を目指した。成果は,論文[1]にまとめた。課題(2),(3)に関しては,昨年度の研究成果として基礎理論の骨格が得られている。課題(3)は,成果を部分的に論文[2]にまとめておいた。課題(2)をまとめた論文は,すでに投稿し,審査中である。研究代表者は, 2012年6月にKentucky大学(アメリカ)で開催された国際会議と2012年8月にBrazilで開催された研究集会に出席し,成果の発表,情報収集,研究連絡に従事した。 [1] The equality I2 = qI in sequentially Cohen-Macaulay rings, J. Algebra, 379, (2013), 50-79 [2] Almost Gorenstein rings, Journal of Algebra, 379 (2013), 355-381
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