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2011 年度 実績報告書

ベクトルバンドルの方法による正標数の可換環論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540056
研究機関立命館大学

研究代表者

高山 幸秀  立命館大学, 理工学部, 教授 (20247810)

キーワード代数学 / 代数幾何学 / 正標数
研究概要

正標数の代数多様体において小平消滅定理が成り立つかどうかという問題は、正標数の代数多様体が標数ゼロの代数多様体に持ち上げられるかという問題に深く関連している。これは代数多様体の変形理論の観点から広く捉えることができるため、代数幾何学と数論幾何学にまたがるさまざまな問題との関連が興味深い課題として浮かび上がってくる。
本年度は、代数多様体の変形理論を踏まえ、特に標数ゼロへ持ち上げ不可能なカラビ・ャウ3次元代数多様体について研究を行った。具体的には、年度の前半において変形理論の基礎事項を勉強し、8月にカナダのフィールズ研究所で行われた、カラビ・ャウ3次元多様体とK3曲面の数論的側面に関する研究集会に参加し、この方面の研究動向を広く調査した。また、年度の後半では、引き続き変形理論の問題について考察をすすめ、特に持ち上げ不可能なカラビ・ャウ3次元代数多様体の最初に発見された具体例である廣門多様体について研究を行った。すなわち、T.Ekedahl1による廣門多様体のグラスマン多様体を使った再構成を使って、小平消滅定理がある程度まで成り立つことを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで知られている標数ゼロへ持ち上げ不可能なカラビ・ャウ3次元多様体について、小平消滅定理が成り立つかどうかは全くわからないとされていたが、廣門多様体についてEkedahlの基礎的解析を使えば比較的簡単にある程度の可能性が示せたことは、意外な進展だったと思う。

今後の研究の推進方策

変形レイノー・向井構成によって自明な標準因子を持つ3次元多様体で小平消滅定理の反例が構成できるかどうかについて、既に出版予定の論文の研究において部分的な考察を行ったが、その先について考えていきたい。また、廣門多様体以外のたとえばシュローア多様体などのカラビ・ャウ3次元多様体についての小平消滅定理の証明あるいは反例の構成について考えていきたい。また、正標数の代数幾何学、可換環論、数論についての最新の研究動向を調査するために、6月にドイツで開かれる国際研究集会にも参加したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] arXiyプレプリントサーバー

    • URL

      http://front.math.ucdavis.edu/1204.1622

  • [備考] Kodaira type vanishing theorem for the Hirokado variety

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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