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2010 年度 実績報告書

ホップ代数の多項式不変量とその変種に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540058
研究機関関西大学

研究代表者

和久井 道久  関西大学, システム理工学部, 准教授 (60252574)

キーワード代数学 / トポロジー / 環論 / 表現論 / ホップ代数 / 結び目
研究概要

代表者は、2010年に出版された論文において、ホップ代数の(表現圏の)組み紐構造を用いた、ホップ代数の表現圏のテンソル不変量を定義した。この不変量はホップ代数の基礎体を係数環とする多項式として与えられ、ある種のホップ代数については整数係数になり、また、表現環が同型であるような多くのホップ代数の表現圏を区別するなど、非常に興味深い性質を持っている。この研究の目的は、多項式不変量のさまざまな「変種」を考察し、その変種を通して、多角的に多項式不変量の性質を調べることである。
当該年度では、(2,q)-トーラス絡み目の量子不変量を用いた変種を考察した。ホップ代数A上の絶対既約な左加群Mに付随する(2,q)-トーラス絡み目の量子不変量をMに対する(2,q)-トーラス絡み目次元として捉え、それらを根にもつ多項式を導入した。この多項式もホップ代数の表現圏のテンソル不変量になることがわかった。(2,1)-トーラス絡み目は自明な結び目と同値であるから、(2,q)-トーラス絡み目に基づく多項式不変量の系列は、上述の論文で導入された多項式不変量を特別な場合として含む。それゆえ、パラメータqを動かして多項式の系列の変化の様子を観察することにより、多項式不変量に対する理解がより一層深まることが期待される。今のところ、標数0の基礎体上で定義されたホップ代数Aに対し、今回新たに導入した多項式不変量の係数が代数的整数になることは証明できていないが、群ホップ代数やKac-Paljutkin代数を含むホップ代数のいくつかの系列について計算したところ、これらのホップ代数については係数の整数性が成り立つことがわかった。また、一般に、絶対既約な左A加群Mに対する(2,q)-トーラス絡み目次元自体は代数的整数になることが証明できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Tensor Morita invariants of finite-dimensional Hopf algebras associated with the Hopf link2010

    • 著者名/発表者名
      和久井道久
    • 学会等名
      ホップ代数と量子群
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2010-10-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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