研究概要 |
本研究の主な目的は,フレッシェ空間(完備距離付け可能局所凸線形位相空間)の単調増加列の帰納的極限である局所凸線形位相空間として定義されるLF空間をモデルとする多様体の位相構造を研究することである.まず,本研究課題の申請書で述べたWhitney位相を持つ同相写像群に関する論文とLF空間の開集合に関する単体分割定理を示した論文が,それぞれTopology Proc.とCanad.J.Math.に掲載予定だが,出版に先立ち電子出版された.さらに,位相群への連続写像がなすWhitney位相を持つ群に関する論文が掲載されたTopology Appl.は本年度中に出版された.本研究において重要である距離位相を持つ単体複体に関しては,細分が距離位相を保存するためには,頂点集合が疎であることが必要十分であることを示すことができ,論文はCanad.Math.Bull.に掲載が決まり出版に先立ち電子出版された.Hendersonは単体複体の細分に関するWhiteheadの定理が距離位相に関しても成立することを1975年に示したが,彼の証明には局所有限次元の条件が必要であった,昨年度末に,研究代表者は無条件で有効な証明を与えることができ,この論文はJ.Math.Soc.Japanに掲載が決まった.さらに,一様収束位相を持つ数直線上の一様同相写像群に関する論文がTopology Appl.に出版された.さらに,幾何的トポロジーにおいて,非常に重要な例であるTaylorのCE写像の構成と証明の間違いを発見し正しい証明を与えることができたが,その論文はGlasnik Mat.に掲載されることになった.さらに,本年度中,連携研究者も多くの様々な成果を上げることができた.
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