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2011 年度 実績報告書

共形一次微分形式による積分表示を用いた周期的曲面の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540064
研究機関筑波大学

研究代表者

守屋 克洋  筑波大学, 数理物質系, 助教 (50322011)

キーワード周期 / 周期的曲面 / 閉形式 / クリフォード代数 / 四元数 / 平均曲率一定曲面 / ハミルトン的極小 / ラグランジュ曲面
研究概要

本研究では共形一次微分形式の周期についての研究が重要である。共形一次微分形式は閉形式であるが、全ての周期が零になる場合、共形一次微分形式は完全形式となる。そこで、複素関数論におけるリーマンの双正則関係式をクリフォード代数値閉一次微分形式の場合に拡張し、これを用いて、クリフォード代数値一次微分形式が閉形式になるための条件を求めた。さらに、これを用いて共形一次微分形式がユークリッド空間内の平均曲率一定曲面の微分となるための条件を求めた。これらの結果は専門誌に発表予定である。この研究をさらに発展させるかたちで、周期的曲面の研究に取り組んだ。周期的曲面を閉リーマン面の被覆面からの写像で、閉リーマン面上の閉一次形式の被覆写像による引き戻しの積分で書けるものと定式化し、閉リーマン面の種数がgで基本領域でg-1個のハンドルをもつような二重周期の平均曲率一定曲面が存在しないことを示した。平均曲率一定曲面の一般化として、左法写像が調和的である曲面のクラスがある。これは、局所的には平均曲率一定曲面と左接触している。種数gで基本領域でg-1個ハンドルをもつ一周期平均曲率一定曲面と左接触する、左法写像が調和的である種数gの曲面は2g周期にならないことを示した。応用として、平均曲率一定回転面と左接触する左法写像が調和的な曲面は零周期か一周期であることをしめした。また、種数1の周期的ハミルトン的極小ラグランジュ曲面の周期は零が一であることを示した。これらの結果を論文にまとめて投稿した。東京理科大黒須早苗氏との共同研究で共形一次微分形式の理論に付随して現れるtt*束を拡張して、新たなtt*束の構成に成功した。この結果は専門紙に掲載予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、共形一次微分形式とその周期を調べることによって、(周期的)曲面の存在についての新しい結果を得ることであった.共形一次微分形式の周期については、より一般なクリフォード代数値一次微分形式の周期について調べることができ、論文も専門紙に掲載予定である。周期的曲面の存在については左法写像が調和的な曲面について結果を得て、そのなかに含まれる平均曲率一定曲面とハミルトン的極小ラグランジュ曲面についての結果をえた。この結果の専門紙への掲載を待ちつつ、さらなる研究の進展をはかる状態である。研究期間内に十分な成果をあげられるものと予想される。

今後の研究の推進方策

平均曲率一定曲面やハミルトン的極小ラグランジュ曲面についての結果は種数1の場合である。これをより種数が高い場合にどうなるかを研究する。実際は超楕円的曲面か、球面の被覆面となっているものを扱うことになると予想される。このとき、2011年度に調べた、ある超楕円的曲面の上の共形一次微分形式の周期が活用されると思われる。また、英国レスター大学のKatrin Leschke氏との共同研究で、周期的曲面のダルブー変換がどのような周期性を持ちうるかを調べる。これは、2011年度に研究した平均曲率一定曲面とハミルトン的極小ラグランジュ曲面を主に対象にする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A condition for a closed one-form to be exact2012

    • 著者名/発表者名
      Moriya, Katsuhiro
    • 雑誌名

      Adv. Appl. Clifford Algebr.

      巻: 22, No. 2 ページ: 433-448

    • DOI

      doi:10.1007/s00006-011-0313-5

    • 査読あり
  • [学会発表] 四元数的正則微分形式の層を係数とするリーマン面のコホモロジー2012

    • 著者名/発表者名
      守屋克洋
    • 学会等名
      日本数学会年会
    • 発表場所
      東京理科大学理学部(東京都)
    • 年月日
      2012-03-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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