研究課題/領域番号 |
22540068
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
杉山 健一 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90206441)
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キーワード | 楕円曲線 / L関数 / 特殊値 / 岩澤理論 / Birch & Swinnerton-Dyer予想 / Tate予想 / 測度 / オイラー系 |
研究概要 |
結び目群と有理数体のGalois群との比較研究を進めていくうちに、楕円曲線のL不変量と色つきJones不変量との類似に気がついた。今年度はその考察に基づき、楕円曲線に伴うL関数の性質について、以下の新しい予想を定式化することができた。「有理数に係数を持つ二つの楕円曲線EとFが、5以上の素数で同じ型の通常還元を持つとき、Eにともなうp-進L関数のs=0での位数から複素解析的なL関数のs=1を引いた数は、Fのそれに等しいであろう」。この予想は、Mazur-Tate-Teitelbaum予想に含まれるが、逆に我々の予想から彼らの予想を導くことができる。したがって、両者は同値であるが、さらに我々の予想からBirchとSwinnerton-Dyerによる「楕円曲線のL関数のs=1での位数は、そのMordell-Wei1群の階数に等しいであろう」を導くこともできる。我々の予想を証明するために、通常のゼータ関数に対して岩澤理論を展開し、複素解析的なL関数とp-進L関数を比較する理論を確立しようと試みた。もしこの理論が完全に確立されれば、我々の予想が証明され、その結果BirchとSwinnerton-Dyer予想ならびにMazur-Tate-Teitelbaum予想が正しいことがわかる。しかし、残念ながら未だ問題が残っている。それは我々の(構築中の)理論から、ある仮定を満たす楕円曲線のL不変量はすべて等しいという結論が導かれてしまうが、それは強すぎる帰結である。したがって、理論に修正を加えなければならないというのが現状である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
結び目群の考察を整数論で展開することにより、BirchとSwinnerton-Dyerによる予想に十分な裏付けを行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
それは我々の(構築中の)理論から強すぎる結果が導かれてしまうため、修正が必要である。これからの課題として、どこが問題なのかをはっきりさせることが当面の問題である。.
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