研究概要 |
本研究課題においては,下記の話題を中心に研究を進めている。 1.Goldbergの予想について。2.TV-Bochner平坦な概エルミート多様体について。3.)概エルミート構造の様々な変分問題について。4.単位接球面束の標準的接蝕計量構造について。 それぞれの話題について,今年度における研究の成果及び進捗状況はおよそ以下の通りである。 1について。予想そのものの解決には至っていないが,4次元コンパクト概エルミート多様体の曲率テンソルと概複素構造及びそれらの共変微分を含む恒等式を得ており,この恒等式を活用することができないかどうか検討中である。 2について。4次元の場合に一定の成果が得られ,今後取り組むべき問題も明示した。 3について。概エルミート構造が古田汎関数の臨界点となるための条件を求めた。また,その結果をサポートする臨界点の実例をいくつか示した 4について。4次元リーマン多様体の単位接球面束が(その標準的接触計量構造に関して)H-接触計量多様体となるための必要かつ十分な条件を与えた。また,4次元以外のリーマン多様体の単位接球面束がH-接触計量多様体となるための曲率に関する必要条件を与えた。 その他,一般化されたガウス・ボンネの公式をもとにしてかならずしもコンパクトとは限らない4次元リーマン多様体における曲率恒等式を導いており,そのいくつかの応用も得ている。この研究は上記話題の研究と平行して今後も継続してゆく予定である。
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