研究概要 |
次の2つのことを示した。(1)射影曲面は余次元が2の中心アフィン曲面にリフトして考えることができる。余次元が2の4次元アフィン空間内の中心アフィン曲面の持つ自然な計量について、面積に関する極小性はFuruhata(Bull. Belg. Math. Soc.,2000)により定義された。その性質を射影曲面の不変量を使って記述した。曲面が不定値の場合には次のように述べられる:極小な余次元が2の中心アフィン極小曲面は、Fubini-Pick不変量が消える曲面に射影同値である。一般の余次元が2の中心アフィン曲面が与えられると、ある2階の微分方程式の解を使って、ray 方向に変形すれば、中心アフィン極小曲面が構成できることがわかる。これから、中心アフィン極小曲面は豊富に存在することがいえる。(2)射影曲面の中に一致曲面と呼ばれる簡明なクラスがある。さらに射影極小であるとすると、実質的に2つのパラメータを使って書かれる簡単な方程式系で記述されることがわかる。一方、射影極小曲面のクラスはMarcus変換という変換により保存される。この変換により射影極小一致曲面がどのような変換を受けるかについては、すでに先行研究がある(F. Marcus, Acad. Roy. Belg. Bull. Cl. Sci, 1979)。この変換は2つのパラメータの重複しているか、実か虚かなどの代数的な条件や、Marcus変換を定義する自由度により、大きく異なる。ここでは、どのようなときに変換された曲面がまた射影極小一致曲面になるかを示した。この結果、元の曲面をz, 変換された曲面をw とすると、直線zw の全体は射影空間内のWeingarten線叢になっているので、そのような線叢を系統的に作る方法が得られたことになる。
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