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2011 年度 実績報告書

結び目不変量と保型形式及び楕円デデキント和の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540096
研究機関津田塾大学

研究代表者

福原 真二  津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20011687)

研究分担者 宮澤 治子  津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (40266276)
キーワード保型形式 / 楕円デデキント和 / 結び目 / 不変量 / 局所変形 / 周期
研究概要

研究代表者は1編の論文を出版し、もう1編は出版予定となっている。出版されたものは「Abasis for the space of modular forms, Acta Arithmetica, 151(2012), 421-427」である。これは重みが一定の保型形式のなすベクトル空間の基底を明示的に与えるものである。従来、基底は重み4と6のアイゼンシュタイン級数のべき乗を用いて表されてきた。これだとそのフーリエ係数は大変複雑なものになってしまう。代表者は(重みは大きくなるが)2つのアイゼンシュタイン級数の積として表せる基底を、作り出すことに成功した。これだとフーリエ係数は約数関数の積の和として、簡単に表すことができる。また、尖点形式に関しても同様の結果を証明している。
出版予定になっているのは論文「A basis for S_k(Gamma-0(4)) and represent a ions of integers as sums of squares, Ramanujan J., To appear」である。この論文は代表者とYifan Yangとの共著である。この中で著者達は、保型形式のなす空間M_k(Gamma_0(4))および尖点形式のなす空間S_k(Gamma_0(4))の基底を陽に与えている。その結果としてテータ級数の4の倍数乗をアイゼンシュタイン級数を用いて表す公式を得ている。さらにその系として、整数を4k個の整数の平方の和で表す方法の数に関する明示式を得ることに成功している。これは8k個の整数に関するImamoglu-Kohnenの結果を一歩前進させたことになる。
研究分担者は、バシリエフ不変量と局所変形の関係にかんする研究を継続しており、研究成果をまとめる準備をしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

23年度、代表者は楕円デデキント和の保型形式としての面を研究の中心にしてきた。そのため2人の研究者N.Yhi(Canada),Y.Yang(Taiwan)と共同研究する予定になっていた。しかし、福島原子力発電所の事故の影響で2人とも来日が不可能になった。結果としてメールでのやり取りのみになり、共同の仕事を十分に進めることができなかったのが残念である。なお代表者が独自に進めている楕円デデキント和の代数的側面の研究の方は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

24年度においては、共同研究者との連絡もとれ、共同研究の体制作りも順調に進んでいる。従って予定通りの方針で研究課題に取り組めると考えている。研究分担者も一般理論につながる基礎的データを集積すべく、様々な結び目不変量の計算を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] A basis for the space of modular forms2012

    • 著者名/発表者名
      Shinji Fukuhara
    • 雑誌名

      Acta Arithmetica

      巻: 151 ページ: 421-427

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A basis for S_k(Gamma_0(4)) and representations of integers as sums of squares2012

    • 著者名/発表者名
      Shinji Fukuhara, Yifan Yang
    • 雑誌名

      Ramanujan J

      巻: 28 ページ: 25-43

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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