研究課題
今年度行った研究は下記の通りである。本研究ではリーマン・フィンスラー多様体の大域的な性質を調べた。1. リーマン・フィンスラー多様体のclosed subsetの距離関数のdifferentiablity及びcut locus構造を調べ、リーマン多様体の場合と比較を行った。その結果は下記の通りである:リーマン・フィンスラー多様体のclosed subsetからの距離関数は一本のみの測地線分を持っている点において微分可能であることを証明した。また、2本以上の測地線分を持っている点はcut locus内のdense subsetであることがわかった。リーマン・フィンスラー多様体のclosed subsetのcut locusはlocal treeであることがわかった。多様体の距離関数の位相とcut locus intrinsic距離関数の位相は一致していることも証明できた。これらの成果をまとめて、東海大学の田中實先生と共著を国際誌に投稿した。現在査読中である。2. 可微分リーマン多様体の一点のcut locusのHausdorff dimension は整数であることがよく知られていない結果だが、計量の differentiability が下がると、そのcut locusはfractal となるかどうかを調べました。具体的に、fractal setを与えておいて、それをcut locusとして実現するリーマン計量の存在を調べた。このようリーマンな計量を構成することに成功したので、近いうちにこれらの結果をリーマン・フィンスラー多様体にも一般化する予定がある。これらの成果をまとめて、2013年度前期中熊本大学の伊藤仁一先生と共著を国際誌に投稿する予定がある。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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