研究概要 |
p を素数, G を群, BG をその分類空間とする. 本研究の目的は分類空間 BG の mod p コホモロジーの計算を具体的な素数 p とリー群や代数群 G の分類空間 BG に対して行うことであった. 平成 24 年度はすでに計算されている BG のコホモロジーの計算結果をより見通しよい方法で再計算すること, そしてそれを通して分類空間のコホモロジーの計算の統一的方法を見いだすことに重点を置いた研究を目指した. その過程で非自明なルレイ・セールのスペクトル系列について再考することが重要であることが判明した. この非自明なルレイ・セールのスペクトル系列を計算するという視点からリー群の分類空間の自由ループ空間のコホモロジーについての研究, 特に Kuribayashi-Mimura-Nishimoto による BSpin(10) の自由ループ空間の mod 2 コホモロジーと BPU(3) の自由ループ空間の mod 3 コホモロジーの計算の再検討を行った. そしてスピノール群の分類空間 BSpin(n) の自由ループ空間の mod 2 コホモロジーが Gysin 系列によって計算可能であることを見出し, 上の計算を見通しよくする手法をあみ出し, これを用いてスピノール群の分類空間の mod 2 コホモロジーが対応する有限シュバレー群の mod 2 コホモロジーと次数付きのベクトル空間として同型であることを示した. この結果については2012年9月に数理解析研究所で行われたRIMS研究集会「空間の代数的・幾何的モデルとその周辺」で「On the cohomology of the free loop space of the classifying space of a spinor group」と題して発表した.
|