研究概要 |
本研究課題である任意係数体上の正則断面曲率一定な双曲空間内のcurvature adopted完備実超曲面の大域的な形状を決定する問題を,空間内の一点,超平面,又は無限遠点からの距離関数の等位集合として捉える事に成功し,それらを全て決定した.この定理は正則断面曲率一定の射影空間内の同様な性質を持つ完備実超曲面の大域的性質の決定にも適用できて,前年度の成果に対するエレガントは別証明を得た.研究目的に提示した様に,より一般的なリーマン多様体上の距離関数の臨界点の研究を古典的なRauch予想と非退化な道の空間の臨界点との関連に於て調べた. 比較幾何学で重要な役割を果たすAlexandrov-Toponogovの定理を放射曲率の条件下で精査し,測地三角形の角度比較が可能となる為の頂点からの距離関数の臨界点と三角形の関係を調べた.以上の結果はより一般的な内部距離空間上の凸関数の研究へと発展し,リーマン幾何学のフィンスラー幾何学への展開を可能とした点は重要である. 距離関数に関連する重要な概念は凸性である.完備リーマン多様体上の凸関数の存在は,曲率が非負又は正の多様体上の無限遠点からの距離関数としてのBusemann関数として良く知られている.この事実を用いたCheeger, Gromoll, Meyerによる魂の定理は非負曲率完備リーマン多様体の位相を決定する.これらの諸結果のうちいくつかは完備フィンスラー多様体上の局所的に定数でない凸関数に対しても適用可能で,ある種の魂定理や端点の個数評価が成り立つだろう.Rauch予想に関するフィンスラー多様体上の成果も得られ,特にexhaustiveな狭義凸関数を許容する完備フィンスラー多様体のコンパクト等長変換群が不動点をもつ事も分かる.このようにして,フィンスラー幾何学がリーマン幾何学の延長線上に見えてくる現象を見いだした.
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