研究概要 |
本年度は、rank 4, totally real, non-Pisot, unimodular, irreducibleなsubstitution,特に、4-interval exchange変換上のRauzy inductionから生成されるsubstitutionのうち、周期8のものに取り組んだ。周期が8であることから、8種類のsubstitutionが導かれるが、各substitutionから定まるタイリングsubstitutionを用いて、自然にタイリングを生成することができるかどうか、また、各タイリングの間の関係はどうなっているかについて研究を集中させた。 その結果、周期8のクラスにおいて、(平行四辺形によるタイリングではなく)平行四辺形のブロッキングからなる多角形によるタイリングを生成すること(タイルのブロッキング法の確立)に成功した。また、各substitution間の関係も、Rauzy inductionから生成されるsubstitutionから説明ができること、そして、すでに用いてきたboundary endomorphismの手法も有効であることも明らかにした。 これは、rank 4, totally real, non-Pisot, unimodular, irreducibleなsubstitutionのうち、4-interval exchange変換上のRauzy inductionから生成されるsubstitutionである周期8のクラスの上で、boundary endomorphismのキャンセレーション問題に取り組むための準備を整えることができた点で、意義あるものである。
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