研究概要 |
1. AG(2n,3)の平面がなす2-designの分割に関し,ヤコビ和やいくつかの整数論の結果を用いて既知の結果よりも多くの部分デザインに分割可能であることを示すと同時に, 円分剰余類上の点の分布を調べることで部分デザインの数まで明らかにした.この研究は, 光直交符号のためのシュタイナー4項系の構成を与えるためのものであったが, 結果的には秘密分散法や量子ジャンプ符号に応用可能なデザインを与えたことになった. この結果は, Finite Fields and Their Applicationsに掲載された. 2. 最適な衝突回避符号については, 重み3で最適符号の存在が明らかでないのは奇数符号長のみであることから, 円分多項式と乗法群における元の位数を利用して, 限定的ではあるが一部の奇数符号長をも最適な衝突回避符号を構成しその存在を示すことができた.この結果は, 現在投稿準備中である. 3. 重み4の最適な衝突回避符号については, 等差な性質を持つものに限定した上で, グラフ論的に再定義し, その特徴を明らかにした. これにより, 再帰的構成法を示すことができた. しかし, 種となる符号は直接構成するしかなく, 今後解決していく必要がある.
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