本年度は、(1)BaloghによるDowker空間の構成法自身の研究(2)PFA(S)の応用の二点の研究を行った。 (1)Baloghは、何の追加の仮定もせず(すなわちZFCのみで)サイズcontinuumのDowker空間を構成した。Baloghは、構成した空間がDowkerであることを示すのにelementary submodelを用いているが、用いずに証明できるかがtopologistsの間で問題視されていた。もちろん、これは出来るはずで、これを実際にやってみせた。大田春人(静岡大学)との共同研究。この論文は投稿中である。 (2)PFA(S)は、Stevo TodorcevicがMartin's Axiomのfragmentsに関する未解決問題と、S-spaceの存在とpseudo-intersection numberの関係に関しての問題の二つを解決するために導入した強制公理の一つである。Todorcevicは特にPFA(S)[S]でのS-spaceに関して顕著な結果を挙げており、Frank TallはPFA(S)[S]でのその他のtopologyの性質でいくつか結果を得ている。しかし、Todorcevic自身が行ったものを除けば、PFA(S)[S]での組合せ的な研究結果はまだ皆無であった。そこで、「全てのAronszajn treeはclub-isomorphicである」というPFAからの帰結は、PFA(S)[S]でも成立していることの証明を与えた。この論文も投稿中である。
|