(1) 2個の無限錐からなる3次元閉領域上の反射壁ブラウン運動の時間変更過程が対称マルコフ過程に拡張される仕方は4種類あり、それに限ることを示した。 (2) 平面上の多重連結領域の等角写像族に関する小松・レブナー方程式を「かがりブラウン運動」 (BMD) を用いて、常微分方程式として初めて完全に導出することに成功した。またそれに基づいて、統計物理の確率モデルに関連する stochastic Loewner evolution の概念を stochastic Komatu-Loewner evolution として単連結領域から多重連結領域に拡張することにも成功した。 (3) 1次元開区間上の極小拡散過程が標準測度に関して対称であることを示し、その可能な対称拡散拡張を決定し、伊藤・マッキーンの理論と対応させた。 その結果、一般境界条件を満たす1次元拡散過程は正則ディリクレ形式によって直接的に構成可能なことが明らかになった。
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