遠方で減衰するランダムポテンシャルを持つ1次元シュレーディンガー作用素は、ポテンシャルの減衰オーダーに依存して、絶対連続スペクトル、特異連続スペクトル、点スペクトルを持つことが知られている。点スペクトルを持つ状況においては、固有値のなす準位統計はポアソン過程に収束すると予想されているが、絶対連続スペクトル、特異連続スペクトルを持つ状況においては、まだ不明である。 一方、Killip-Stoiciu は一種のランダム行列において、絶対連続スペクトルの状況では、準位統計はクロックプロセスに、特異連続スペクトルの状況ではcircular beta ensembleの極限にそれぞれ収束することを示した。1次元シュレーディンガー作用素においても同様のことが期待される。 そこで、ランダムポテンシャルがブラウン運動から構成される場合において、絶対連続スペクトルを持つ状況において、固有値のなす点過程がクロックプロセスに分布の意味で収束することを示した。また固有値同士のスペーシングも対応する結果を得ることができる。。 証明はKotani-Ushiroya (1988) でなされた解析を利用することにより行われる。
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