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2011 年度 実績報告書

ランダムシュレーディンガー作用素の準位統計

研究課題

研究課題/領域番号 22540140
研究機関学習院大学

研究代表者

中野 史彦  学習院大学, 理学部, 教授 (10291246)

キーワードランダムシュレディンガー作用素 / 準位統計 / 確率微分方程式 / βアンサンブル
研究概要

遠方で減衰するランダムポテンシャルをもつ1次元のシュレーディンガー作用素を考え、次のことを示した。減衰するオーダーをαとおくと、
(1)αが1/2より大きいとき、スペクトルは絶対連続になるが、このときスケールされた固有値のなす点過程はクロックプロセスになることを前年度に示した。今年度はこの場合に固有値同士の順位間隔をスケールしたものがガウス系に収束することを示した。
(2)αが1/2に等しいとき:スペクトルに特異連続な成分が現れる。このときにスケールされた固有値のなす点過程を考え、それのラプラス変換を特徴付ける式を与えた。これはrelative Prufer phaseを呼ばれるもののスケール極限が、ある特別な確率微分方程式の解であることを示すことにより与えられる。一方、Killip-Stoiciuはβアンサンブルと呼ばれるもののスケール極限のラプラス変換の特徴付けを与えており、私達の結果はこれと一致する。よってこの点過程のスケール極限はβアンサンブルのそれと一致することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この作用素のスペクトルは、ポテンシャルの減衰度により3つに場合分けされるが、そのうち2つ場合について準位統計を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

(1)ポテンシャルの減衰度のαがl/2よりも小さい場合において、対応する準位統計がボアソン過程に収束することを証明する。
(2)電場の入ったランダムシュレディンガー作用素について、その自己共役性及び準位統計を考える。
(3)ランダム行列理論に現れる各アンサンブルとの関係を更に明らかにすること、さらに固有値同士のスペーシングについても調べる。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] A -beta expansion associated to Sturmian sequences2012

    • 著者名/発表者名
      F.Nakano, T.Sadahiro
    • 雑誌名

      Integers

      巻: 12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Domino Tilints with one diagonal impurity2012

    • 著者名/発表者名
      F.Nakano, T.Sadahiro
    • 雑誌名

      Fundamental Informaticae

      巻: 116 ページ: 1-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On some aspects of -beta expansion2010

    • 著者名/発表者名
      F, Nakano, T.Sadahiro
    • 雑誌名

      RIMS Kokyuroku

      巻: 1725 ページ: 92-105

  • [学会発表] Domino Tilings with diagonal impurities2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      Fractal Geometry and Ergodic Theory
    • 発表場所
      北京大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-28
  • [学会発表] 1次元シュレディンガー作用素の準位統計について2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      スペクトル散乱理論とその周辺
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      2011-12-14
  • [学会発表] 1次元シュレディンガー作用素の準位統計について2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      ランダム作用素のスペクトルと関連する話題
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-12-03
  • [学会発表] 1次元シュレーディンガー作用素の準位統計について2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      微分方程式と数理物理
    • 発表場所
      ヒルズサンピア山形
    • 年月日
      2011-11-13
  • [学会発表] 不純物を含むダイマーモデルについて2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      日本数学会特別講演
    • 発表場所
      信州大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-28
  • [学会発表] ランダムシュレディンガー作用素の準位統計について2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      微分方程式に対する幾何解析の展開
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      2011-07-24
  • [学会発表] 1次元ランダムシュレディンガー作用素の準位統計について2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      愛媛大学解析セミナー
    • 発表場所
      愛媛大学な
    • 年月日
      2011-07-08
  • [学会発表] 1次元ランダムシュレディンガー作用素の準位統計について2011

    • 著者名/発表者名
      中野史彦
    • 学会等名
      熊本大学応用解析セミナー
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2011-03-10

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公開日: 2013-06-26  

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