研究課題
特性曲線近似を物質微分項に用いる方法で,2010年に作成した新しいガレルキン特性曲線有限要素スキームについて,昨年度に引き続きこのスキームを改良し,新しい二流体問題のシミュレーションを行った.我々の開発した二流体問題を数値的に解く有限要素スキームは,流体粒子の軌跡を近似する方法を取り入れているので,高レイノルズ数流れ問題でも細かい分割を必要としない特長を持っている.さらに,対称行列の範囲で問題を解くことができるので,必要な計算量が軽減される.このスキームは,流体の分離・併合を取り扱うこともできる.今年度,流体の分離・併合のアルゴリズムをよりロバストなものに改良した.その結果,界面位置が精度良く計算できる界面追跡法の特長を維持しつつ,分離や併合など流体形状の大きな位相変化に,より適切に対応できるようになった.砂時計形状のくびれた領域で,密度の異なる二流体が混じり合い,分離併合を繰り返しながら落下するシミュレーション結果を得ることができた.この研究課題に関連する研究で,領域分割法を用いて数値計算をする際に強型ロビン境界条件の下での有限要素解の挙動,差分法で特性曲線近似を行う際に現れる非格子点を使う近似の特性と評価,風上要素選択有限要素法と集中質量型特性曲線有限要素法がある条件の下で同等になる事実について成果を得た.これらの研究成果を,国外ではドイツ・ダルムシュタット工科大学で開催された「複雑流体流れのモデリングと最適化とシミュレーションに関するワークショップ」,国内では日本数学会などで発表した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
COE Lecture Note, Institute of Mathematics for Industry, Kyushu Univ.
巻: 45 ページ: 1-15
日本応用数理学会 論文誌
巻: 22 ページ: 171-179