2014年にフラクタル上のループ・イレーズド・ランダム・ウォークの新しい解析法に関する論文を出版した。ループ・イレーズド・ランダム・ウォークとは、単純ランダムウォークからできた順にループを消して得られるものである。ループを消しているので軌跡は自己交差をもたず、非マルコフ的でもある。非マルコフ過程は、多くの研究蓄積のあるマルコフ過程と比べて、解析法を自分でみつけていかなければならない。 これまでに知られていた方法は、uniform spanning tree というランダム・グラフを用いるものであったが、この方法は単純ランダム・ウォークに対してしか使えない。服部等が開発したループをスケールの大きい順から消す方法は、単純ランダム・ウォークに対しては uniform spanning tree を用いるのと同じ結果を与え、さらに、一般の非マルコフ的なウォークに対しても適用可能である。 これを用いてある種の非マルコフ的ウォークの解析を行った。
|