研究概要 |
M. Scheepersは、実数の古典的な特異部分集合に関する研究の過程で、実数の部分集合Xが開被覆に関する性質 S₁(Γ,Γ) を満たせば、XはX上の準正規収束関数列に関する性質wQNを満たすことを示した。しかし、この逆が成立するかは未解決のまま残り、Scheepers予想とよばれている。本研究の目的は、このScheepers予想を解決することであったが、最終年度である平成24年度においてはPixley-Roy hyperspaceを利用してScheepers予想の反例が構成できるのではないかとの着想のもと、以下の研究成果をPixley-yhyperspaceに対して得た。 1.Scheepers予想における性質wQNは局所的性質であるため、この観点からPixley-Roy hyperspaceの局所的性質を研究し、Pixley-Roy hyperspaceにおいてはk-space、sequential、Frechet-Urysohn、Frechet-Urysohn for finite setsなどの局所的性質がすべて同値であるという意外な結果を得た。 2.Scheepers予想に現れる開被覆に関する性質 S₁(Γ,Γ)と関連するselective separabilityについて、Pixley-Roy hyperspaceがselective separabilityを満たすための必要十分条件をXの局所的な位相的性質で特徴づけた。 3.Scheepers予想に現れる開被覆に関する性質と関連するthe discrete countable chain conditionやweakly Lindelofなどの位相的性質をPixley-Roy hyperspaceがもつための必要十分条件をXの位相的性質で与えた。
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