研究課題/領域番号 |
22540160
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
田澤 新成 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (80098657)
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研究分担者 |
淺井 恒信 近畿大学, 理工学部, 准教授 (70257963)
大野 泰生 近畿大学, 理工学部, 教授 (70330230)
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キーワード | グラフ / 標識自己補グラフ / 数え上げ / 母関数 / 自己補2部グラフ |
研究概要 |
研究課題「グラフの数え上げの研究」の遂行の一端として、自己補グラフの数え上げを集中的に行ってきているが、標識づけられた自己補グラフの数え上げについて完全な解に至っていないが、見通しとしてはあともう一歩というところに差し掛かっている。 この研究は1963年R.C.Readの研究に始まる。その後、次数列を与えての同型でない自己補グラフの分類、ブロックとしての自己補グラフの分類とか種々研究が行われ、現在に至っている。このような現状のなかで、研究代表者および研究分担者が標識づけられた自己補グラフの個数を求める研究(奇妙なことに、標識づけられていない自己補グラフの研究はかなり進んでいる)を集中的に行っている。 ここで、自己補グラフの定義を記しておく:グラフGの補グラフGとは、Gにおいて2点が隣接しているときかつそのときに限り、それらの2点が非隣接であるという隣接関係を持つようなグラフのことをいい、GとGが同型であるとき、Gは自己補グラフといわれる。 本年度、平成23年度において、標識づけられた自己補グラフの数え上げ方法について様子がかなりわかってきており、最終年度(24年度)には、本研究課題に対し、満足が出来うる結果がだせるものと確信している。部分的な結果を含めた経過報告を、本研究の研究代表者が主催する研究集会(平成23年11月2日島根大学教育学部において開催した研究集会「数え上げについての種々の問題およびその周辺」)で行った。講演題日は2つあり「Riddell型方程式について」と「グラフのインデックスを利用してのグラフの描き方について」である。分担者の一人「大野泰生」氏は自己補グラフの問題と深い関係のある研究、もっと広くいえば、グラフの数え上げ問題を取扱い、その研究報告として京都大学数理解析研究所、大阪市立大学、日本数学会で講演を行った。最終年度(平成24年度)には、標識自己補グラフの数え上げについて完全な解決をはかりたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1963年にReadが互いに同型でない自己補グラフの数え上げを行った。しかし、標識づけられた自己補グラフの数え上げ問題は、その後多くの研究者により取り組まれてきたが、解決されてこなかった。本研究は、この問題に精力的に取り組み、関係する置換群の構造がつかめてきており、概ね解決に向かっている。本研究の最終年度(24年度)には、必ず解決する。
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今後の研究の推進方策 |
グラフの数え上げにグラブのインデックスという概念を持ち込み、これは、グラフの描画にも大きな効果を発揮することがわかった。この考え方を標識自己補グラフの数え上げに持ち込み、位数をパラメータとする標識自己補グラフの個数の公式が引き出せることが、ある程度わかってきた。そこで、最終年度(平成24年度)は、推定した公式が、位数の小さいところでにのあたりでは、標識自己補グラフの個数は既知である)、チェックする必要がある。そこで、数式処理ソフトMathematicaを用い、プログラムを作成して、そのチェックを行う。プログラムの作成には、その分野に得意である分担者の一人「淺井恒信」氏の力を借りる。
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