研究課題/領域番号 |
22540168
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高橋 眞映 東邦大学, 理学部, 訪問教授 (50007762)
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キーワード | commutative Banach algebra / Gelfand transform / Segal algebra / Fourier algbera / Banach's fixed point theorem / Ulam type stability / Mazur-Ulam theorem / Jensen's inequality |
研究概要 |
本研究はGelfand変換像及びHelgason-Wang変換像を特徴付ける事により、可換Banach環の分類を行い、その本質を探る事が主目的であった。実際これらの特徴付け問題から可換Banach環を4つのクラスに分類したのであるが、我々はこの分類に関連して、主として以下の分野で実績をあげた。一つはH.Reiterによる群環上のSegal環を一般の可換Banach環上のSegal環に拡張し、局所関数の定義するSegal環におけるBSE性やBED性を調査した。またそれらの応用としてFeichtinger Segal環のmultiplier環をBSEの言葉で特徴付けた。これらの成果は今後のSegal環の解明に大いに役立つものであり、この分野での今後の発展が期待される。一つはBanachの不動点定理を応用して、Euler-Lagrange型写像やBanach空間に値を持つChebyshev微分方程式に関するUlam型安定性定理を得た。これらの成果はUlam型安定性問題の発展に寄与するものである。一つはJensenの不等式に新解釈を与え、その応用としてある種の平均の幾何学的性質を調査した。この新解釈は今後不等式の分野で一つの原点となる事が予想される。一つは擬距離空間を定義し、その上にReflectionと言う概念を導入してMazur-Ulamの定理の般化を与えた。この般化は、今後保存問題の解明に寄与する事が予想される。 これらの結果はしかるべきジャーナルに掲載または掲載予定である。詳細は研究発表の欄を参照されたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.可換Banach環の分類に重要なSegal環の解明が進展しているため。 2.可換Banach環の分類に関連して安定性問題や保存問題の解明が進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
1.Segal環の同型問題の調査を推進させる。 2.新しい型のUlam安定性を導入して、更なる安定性問題の調査を推進させる。
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