研究課題
これまで研究を進めてきた多項式写像の無限遠点におけるモノドロミーについては、「無限遠点で従順」という仮定は応用上やや強い制約である。 この仮定を外すと、一般ファイバーの被約ホモロジーは中間次元に集中しなくなる。 しかしながら、無限遠点にある水平な因子上のモノドロミーの固有値を避ければ、残りの部分に関しては期待される集中が成立することを示した。 この事を用いて、無限遠点で従順でない多項式にたいしても、無限遠点におけるモノドロミーのジョルダン標準型がモチヴィックミルナーファイバーの理論を用いて多くの場合に決定できることを示した。 さらに各分岐点のまわりでのモノドロミーのジョルダン標準型も、同様の方法で求めることが出来た。 関連して多項式写像の分岐点集合を研究し、Nemethi-Zaharia の仕事を多項式写像の値域が高次元の場合に一般化した。 すなわち多項式写像の無限遠点における特異性から生じる分岐点を記述する定理を得た。 また彼らの予想を部分的に解決した。 合流型 A-超幾何関数の積分表示の研究に関しては、積分路の構成に配置 A の幾何学的な条件が必要であったが、その条件を外すことに成功した。 この新しい積分路の構成は、Airy 関数の積分表示における積分路の取り方を自然に高次元化したものになっており、今後の応用が期待される。 合流型 A-超幾何関数のモノドロミーはまだ解明できていないが、無限遠点における漸近展開やストークス係数が鞍点法の高次元化により計算できることを示した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Tohoku Mathematical Journal
巻: 65, no.2 ページ: 未定
International Mathematics Research Notices
巻: 2013, no.8 ページ: 1691-1746
巻: 2012, no.15 ページ: 3567-3613