研究課題/領域番号 |
22540175
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
木村 泰紀 東邦大学, 理学部, 准教授 (20313447)
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研究分担者 |
青山 耕治 千葉大学, 法経学部, 准教授 (20293152)
飯塚 秀明 九州工業大学, ネットワークデザイン研究センター, 准教授 (50532280)
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キーワード | 凸解析 / 均衡問題 / 不動点問題 / 変分不等式 / 近似列 |
研究概要 |
今年度の研究成果として、非線形問題の中でもとくに均衡問題や変分不等式問題と関連の深い、ヒルベルト空間における非拡大写像族の共通不動点近似問題に関する研究に多くの進展が見られた。中でも新しい解近似点列の手法開発について重要な結果が得られている。すなわち、提案された手法は、Halpern型と呼ばれる生成手法に収縮射影法のアイディアを取り入れることにより、閉凸集合への距離射影の計算という部分近似を含まない形での点列生成法であり、その強収束性の証明に成功した。 その他の解近似法に対する新しい提案としては、共役勾配法や近接点法、収縮射影法等に関する新しい収束の結果が得られており、計算機実験等を含めた収束性に関する考察をおこなってきた。 理論的研究としては、バナッハ空間における非拡大写像の一般化概念に対する研究が進み、不動点が存在するための必要十分条件を生成点列の性質を用いてあらわすことや、写像族が点列構成に関して都合のよい条件を持つことに対する必要十分条件を集合値解析の概念を用いてあらわすことに成功している。 また、付随する成果としてアダマール空間における集合列と距離射影の関係に関する結果や、ヒルベルト球における収縮射影法の定理等が得られている。これらは当初の研究対象には入っていなかったが、本研究においても今後の発展が期待できる重要な分野となり得るものである。 なお、東日本大震災の影響で研究成果発表の一部は次年度へ繰越となった。
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