研究概要 |
f(≠0)∈L_2 の定める数列距離空間(Λ_2(f),d_2(a,b))の,外側(内側)近似空間Λ_2,φ(f)(Λ_2,0(f))を導入しそれらの相互関係,線形性,距離位相を研究した.f~(α)をfのフーリエ変換,φ(x):=∫_[0,x] (αの2乗)(|f~(α)|の2乗)dα とする.Λ_2,φ(f):={(a_k)|Σ_k ((a_k)の2乗)(1+φ(1/|a_k|))<+∞}, Λ_2,0(f):={(a_k)|Σ_k ((a_k)の2乗)φ(1/|a_k|)+Σ_k ∫_[1/|a_k|,+∞] (|f~(α)|の2乗) dα<+∞} とする.距離 d_2(a,b)についての重要な数列評価不等式: 任意の |t|≦1 に対し (d_2(ta,0)の2乗) ≦ 8[Σ_k ((a_k)の2乗)φ(1/|a_k|)+Σ_k ∫_[1/|a_k|,+∞] (|f~(α)|の2乗) dα] ≦ 9∫_[-1,1] (d_2(ta,0)の2乗) dt を示し,Λ_2,0(f),Λ_2,φ(f)の線形および距離構造に関して以下を得た.これらは本年度の研究計画を実現している。 (1) 一般的に関係Λ_2,0(f)⊂Λ_2(f)⊂Λ_2,φ(f)⊂l_2 が成り立つ. (2) Λ_2,0(f)はΛ_2(f)に含まれる最大の線形部分空間でその距離位相がγ(a,0):= √[Σ_k (|a_k|の2乗) φ(1/|a_k|)+Σ_k ∫_[1/|a_k|,+∞] (|f~(α)|の2乗) dα]で与えられる. (3) Λ_2,φ(f)が線形空間になるための必要十分条件は関数φ(x)がdoubling condition D(2,φ)<+ ∞をみたすことであり,このときδ(a,0):= √[Σ_k (|a_k|の2乗) (1+φ(1/|a_k|)] は擬距離位相を与える.
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