研究概要 |
今年度発表された論文はないが、掲載予定ののものが2つある。Berghaeuser のものはloup型のコンパクト部分を伴うnoncompact graph上の散乱逆問題を考察している。グラフ上の散乱問題は細いチューブ状領域での種々の波動伝播現象を考察する上で重要であり、多くの研究がある。我々の研究はloupの存在により、より複雑になる散乱データ(散乱関数、固有値、正規化定数)の詳しい特性求め、それを基にポテンシャルを決定するアルゴリズムを定めるものである。 類似の問題はstar-shaped graph等他のグラフに対しても考察されており,昨年度に続いて東海大学での研究会で発表されている。これらは本研究終了時までに論文として発表する予定である。 World Science Publishingのものは多次元のSchro"dinger作用素、古典的な波動伝播問題に関する研究で,昨年度に発表された内容を発展させている。特に,固定されたエネルギー状態の散乱振幅からdissipationとpotentialを同時に決定する問題、また、波動伝播現象の解析に欠かせないいわゆるStrichartz評価の時間依存係数の問題への拡張などがなされている。
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