研究概要 |
本研究は波動方程式, クライン・ゴルドン方程式, シュレディンガー方程式及びその周辺に現れる様々な数理モデルの波動現象を研究対象にし, 中心課題を磁場中の波動伝播の漸近解析に置いた. また, 散乱理論や逆問題など, 応用への貢献が期待される結果も得られている. 結果を具体的に説明するために論文 (1), (2), (3) のアブストラクトを加える. (1) この論文では Schro"dinger 方程式, Klein-Gordon 方程式, 波動方程式に対して一般的な散乱理論の枠組みの中のいくつかの基本的問題を概説する. 摂動浩に対する適当な減衰/or 小ささの条件のもとで次の topics が考察される: 一般固有関数の増大度の評価, レゾルベント評価, 散乱順問題と散乱逆問題, 平滑化効果と Strichartz 評価. 道具である 重み付きエネルギー法の性質をうまく引き出すことにより, いくつかの問題では自然に時間依存型の摂動や非自己共役の摂動に適用範囲を広げることが可能である. (2) ここでは一つの無限 rayと一つの loop が一点で交わっているグラフ上の散乱逆問題を論じる. 我々の問題は作用素の散乱データを基にポテンシャルを再構成しようというものである. (3) この論文では磁場中の Schro"dinger 作用素が強い特異性をもつ外部ポテンシャルを伴う場合に現れるいくつかの基本的な問題を議論する. 扱われる問題は 作用素の自己共役性, i一般固有関数の増大度の評価, 極限吸収の原理, レゾルベントの全エネルギーレベルでの一様評価, と対応する発展方程式に関する平滑化効果である.
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