ある種の「量」の極値となる写像・関数を求める問題を変分問題と呼んでいる。変分問題を扱う際には、まず、拡張された意味で微分可能な写像の集合の中での「解」の存在を示し、適当なレベルまでその「解」が「滑らか」であることを示すという二段階の手順を踏むことが多い。この後半の問題は「解の正則性の問題」と呼ばれており、本研究課題で扱ったのはこの「正則性の問題」である。一般に、この問題は、現れる係数の滑らかさについて、連続性もしくは更に強く微分可能性等の条件を課して扱われるが多かったが、この係数の滑らかさに関する条件を弱めてなお「正則性」を得ることを目指し、幾つかの新たな結果を得た。
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