研究概要 |
前年度に得られていた放物型Bergman空間のCarleson不等式に関する結果が出版できたが(Tohoku Math.J),それを継続発展させて整理する作業を続けた.3名の連携研究者との勉強会に旅費を使ったが有意義な時間が持てた.この勉強会において放物型Bergman空間上のToeplitz作用素のSchatten族への分類について,指数が1以下の場合の結果を得た.1以上の場合はすでにKodai Math.J.(Vol.32(2009),501-520)に発表していたが,今回はそれとは別の視点からの考察で,Schatten族の分類についての知見が深まった.この結果は現在投稿中である.関連して,9月にローマ大学ボルテラセンターを訪問し講演するとともに,確率解析との関連を模索した. 本研究の本来の目的はHardy型空間の解析である.これまでの研究対象であるBergman型との比較検討により研究を進めている.対応する結果を整理して学会発表をしたがHardy型に独自の結果はまだ得られていない.Carleson埋め込みとToeplitz作用素との関係をより明確にすることを始めているが,今後の課題である.偏微分方程式研究者や確率論研究者を代表者が主催するポテンシャル論セミナーに招いての講演の機会も設けた.これらを通して,新しい視点からの解析を深めたい.
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