7月に防衛大学にてミニシンポジウムを開催し、建築学における逆問題に関して研究交流を行った。9月には九州大学IMI研究所にて国際会議を主催し、実用に応用される逆問題に関して国際的・学際的な研究交流を促進した。これらの研究交流を機に、コンクリート建造物に対するX線を用いないCT技術の開発という新たな研究課題を創出した。現在、この問題に対して、数学・建築学・高速道路関連企業の三者による産学・学際連携体制を確立し、研究を進めている。 また、熱を用いた逆問題に関する既存研究を実用の立場から改良することに成功した。ダイキャスト製品の非破壊検査や二種混合材の成分分析を視野に入れ、さらなる改良を目指して研究中である。 CTスキャンの実用化に用いられたG.N.Hounsfieldによるアイデアの数学的な意味づけ及びその証明は未解決であったが、最小二乗解と確率の言葉を用いて、G.N.Hounsfieldによるアイデアに対する、意味づけと確率論的な証明を与えることに成功した。
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