• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

局所コンパクト量子群と測度付き亜群の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540215
研究機関東京学芸大学

研究代表者

山ノ内 毅彦  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30241293)

キーワード関数解析学 / 作用素環 / フォンノイマン環 / 因子環 / 測度付き同値関係 / エルゴード性 / ヘッケ対 / ヘッケ環
研究概要

22年度は、測度付き亜群、特に測度付き同値関係とその部分同値関係に関する研究を行った。エルゴード的測度付き同値関係は、よくvirtual subgroupと呼ばれるように群論との類似性に重点を置いた方向から研究がなされてきた。本年度は、この考え方に沿って群の「部分群」に相当するエルゴード的部分同値関係に焦点をあてた解析を開始した。群論での正規部分群に相当する概念は、エルゴード的部分同値関係に対してもFeldman-Sutherland-Zimmerらによって導入され、連携研究者である青井氏と研究代表者(山ノ内)はこの正規性に関し以前の共同研究で集中的な解析を行った。22年度は、この「正規性」よりも弱い「通約的」部分同値関係(あるいは「ヘッケ対」ともいう)に関して研究を行った。この概念はもともと数論における群のヘッケ対を拡張した概念になっており、エルゴード部分同値関係の枠組みにおいても既に数論で確立されているのと同様な理論が展開できるのではないかと予想されていた。本研究では、その期待される理論が実際に展開可能であることを証明することができた。例えば、ヘッケ対となっているエルゴード同値関係とそのエルゴード部分同値関係からは、数論におけるヘッケ環を拡張した「ヘッケフォンノイマン環」と呼ばれる作用素環を構成できることを明らかにしている。一方、エルゴード同値関係とそのエルゴード部分同値関係からは、ある一定の手続きを経ることでフォンノイマン因子環とその部分因子環が構成されることが分かっている。本年度の研究では、上述のヘッケフォンノイマン環はこの因子環の対から不変量として発生する相対可換子環中に出現することを明らかにし、Jonesによる部分因子環の理論とも深い係わり合いがあることを示すことに成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Hecke von Neumann algebra of ergodic discrete measured equivalence relations2010

    • 著者名/発表者名
      H.Aoi, T.Yamanouchi
    • 雑誌名

      Publications of Research Institute for Mathematical Sciences, Kyoto University

      巻: 46 ページ: 607-667

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi