研究概要 |
(a)特異的領域摂動とラプラシアンの固有値問題: 小さな穴がある領域の場合の先行研究である固有値摂動公式(ディリクレ境界条件,ノイマン境界条件,小澤真による)を,第3種境界条件の場合にも類似の結果を得た.但し,小澤が用いたグリーン関数の近似によるレゾルベント作用素の近似固有値を経由してラプラス作用素の固有値に結びつける方法ではなく,直接に近似固有関数を摂動展開で作成する方法を考案した.これによって変数係数の場合や多様体の場合などでも汎用的な方法を考案した (b)正則および特異的領域摂動と電磁波の固有振動数に関する固有値問題: マックスウェルの波動方程式における固有振動解を扱った.対応する固有値問題を研究し,境界が導体の場合に領域の摂動に関する固有値の漸近公式を2つの場合について調べた.(あ)滑らかな領域変形の場合,および,(い)2次元の有界領域から小さな円板をくり抜いた領域.それぞれ単純固有値の摂動公式を得た (c)ラメ作用素の特異摂動的固有値問題: 第2ラメ定数がゼロに退化する際の固有値問題を考察した.第k固有値がゼロに収束し,その挙動をストークス作用素の固有値を関連付けた.これは地盤の液状化問題と関連するが固有値の現象と振動現象との関連は今後の課題
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