幾何学や物理学に登場する、スピン多様体上定義された非線形ディラック方程式を変分法的手法を用いて研究した。得られた成果は次の通りである。1) ディラック作用素の0階の冪型の非線形摂動として得られる非線形ディラック方程式に対して、非線形項が劣臨界の場合に解の存在と多重性を証明した。2) 非線形項が臨界指数の増大度を持つ場合に、対応する変分問題の大域的コンパクト性と解の存在を証明した。3) 超対称シグマモデルの1次元版である、コンパクト多様体上のディラック・測地線の存在を、無限次元のリンク理論を用いて証明した。4) スピノル版山辺問題の解の存在を、変分法を用いて証明した。
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