周期的運動をより安定した頑強なものとして実現するための制御手法のひとつとして,1992年にPyragasによって提案された遅延フィードバック制御法が知られている.手法的な簡便性から,多くの応用が期待され,シミュレーションを用いた多くの結果が報告されている.しかし,その手法および報告されているシミュレーション結果について,数学的に保証する結果はほとんど存在しない.本研究では,この制御法の数学的な保証,特に周期解の安定化に成功するための条件を部分的にではあるが,与えることに成功した.同時に,解析のために必要な数学的事項を整備し直した.
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