2次元ガルニエ系には下記に示す退化図式がある(※G(113)からG(23)へも退化が存在する): G(11111)----→G(1112)----→G(122)----→G(23)…↓…↓…↓…G(113)----→G(14)----→G(5)----→G(9/2) 1. 今年度はG(5)、G(14)に加え、来年度以降に予定していたG(23)について、含まれるパラメータが一般の値をとるときの特殊解(対称解)と、対応する線型方程式のモノドロミを具体的に計算した。G(5)とG(14)については、平成22-9-24日本数学会秋季総合分科会(名古屋大)にて発表した。G(23)については平成23-3-23日本数学会年会(早稲田大)にて講演した(震災のため中止となったが、成立したと認められている)。 2. G(5)については、対称解の分類と対応する線型方程式のモノドロミの計算が完成した。対称解は、鈴木正樹氏により構成されたG(5)の初期値空間が5枚のチャートから成り、それぞれが正準変換で結ばれていること、各チャート上に正則解が存在することを用いて計算した。一方、ハミルトン系から独立変数s2についての4階非線型偏微分方程式を導き、これを満たす有理型解が初期値空間から求めた解に一致することを確かめ、対称解の分類を完成した。この内容をまとめて日本学士院紀要に投稿中である。
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